May 23, 2008

太宰治に負けた

負けてて当たり前なんですが、なんとなく、時代が進んでいる分、自分の方が太宰治よりいい文章を書いてる気がしていたんです。ほんとになんでそんな感じでいたのか笑っちゃうんですが。

子供から借りて「人間失格」を読んだら、ちょっと打ちのめされた。負けてるって。全然、負けてる。確か昔読んでたと思うんだけど。あの簡潔な文体、文章。無駄のなさ。全ての言葉が無駄に書かれていない気がする。でも、彼が最後に小説のように入水自殺しなければ、どうだったのか?やっぱり、ある程度、その事がこの小説をより華やかなものにしているのでは?

でも「走れメロス」も書いてるんだ。

次は芥川龍之介だ。ある年代で読んどかないといけない本は、やっぱその年代で読んどいた方がいいな。

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February 19, 2008

「チーム・バチスタの栄光」を読んでいる

普通、原作本があってそれを映画化したものって、どうやっても本には勝てないと思っているのですが、この本だけは、映画を見てないけど絶対映画のほうがいいと思う。

だって文章が下手。カミさんが言ってた通りなんか作りすぎてて、スムーズに読み進まない。「このミステリーがすごい!」で大賞をとったらしいけど、読むのをやめようかと思うくらいヒドイ。

その前に読んでいたのが「パラサイト・イブ」というやはり病院関係の小説。パラサイト・イブは明らかに作ってる話なんだけど、そっちのほうが余っ程自然な感じというか不自然さとか全く感じなかった。この違いはどこからくるのだろう?

それでも桐生先生が少し気になるし、大賞をとってるんだからストーリーは面白いんだろうと読むけどさ。最近の本屋が選ぶナントカとか、書店員が選ぶナントカってのも、やっぱもう商業化されてしまっているんだろうな。

ところで今日のお昼は八重洲で、場末の雰囲気いっぱいの寿司屋に入った。そういう感じは嫌いでない。もう1時半近かったけど安いせいかテーブル席はいっぱいでカウンターに座った。自分が食べ終わる頃になったらお客は自分とあと1組だけ。すると今まで寿司を握っていた板さんがカウンターの中で、まだ寿司を食べてる客の目の前で、魚とかいっぱいあるところで、タバコを吸い始めた。OX&%$#’’’

いくら場末の雰囲気いっぱいのお店だからって、自分で自分の仕事を汚してはいけない。私が好きなのは見た目はボロいお店でも、プライドをもってキッチリ仕事をしている職人さんがいるお店。今日のは最低のお店でした。

お店の名前は、、、、、忘れた。

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March 14, 2006

「博士の愛した数式」小川洋子著

本屋大賞とかをとったときから気になっていた、話題のこの本を読みました。とても暖かい感じの本でした。

面白いというより、優しいとか暖かいいう感じの本ですが、一番感動したのは、作者がよくこの数式という題材で、無理なくちゃんと小説を書いたという点です(純文学を書いたというのかな。小説と純文学の違いはよく分かりませんが)。

そういうこの人の才覚に恐れ入りました。

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October 29, 2005

「ABC殺人事件」クリスティ著

本棚にあった古い本を読んだ。新潮文庫中村能三訳のアガサクリスティ「ABC殺人事件」。昭和57年に印刷されたもの。発行は昭和35年。その時から翻訳が変わってないんだ。

少し前に頭が変にずーっと痛くて眼科に行ったが、ポワロはこの時すでに「頭痛には新しい眼鏡が必要かもしれませんよ」と、眼鏡と頭痛の関係を見破っていたことに私は驚愕いたしました。恐るべし灰色の脳細胞。


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May 19, 2005

「リング」 鈴木光司著

レストランに行って、とにかく一口目が美味しくて、後はそこそこでも、最後のデザートがまた格別美味しければ、これはもう大満足です。はじめて読んだ「リング」はまさに、そういった意味でとても満足でした。

”カルト・ホラー”と背表紙かどこかに書いてあったが、カルトとホラーってどう違うんですか?それを並べて書くことによって、どういうニュアンスを出したいのかが分かりません。それとも2つ並べることによる強調なのか??でも、思ったほど怖くはないんですね。

確かこの小説、三部作みたいに続いていくんですよね。次は何を読めばいいの?


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April 02, 2005

「ヴェネツィアの宿」須藤敦子著

”どこか懐かしい物語”という書評通りの本。自分が昔欧州に行ってた時の空気をよみがえらせてくれる。味わいながら少しずつ読んでいる。図書館の返却日が来てしまったが、聞いたら延長もできるというのでしてもらった。あと2週間手元に置いとける。本当の話だと思って読んでいたが、物語というからには作り話なのか。よくできてるな。

なんだかまた欧州に行きたくなってしまった。今は平和でいいのだけど、なんかつまんないな。

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February 26, 2005

「バッテリー」あさのあつこ著

何気なく読んだ”あとがきにかえて”にヤラれた。作者のこの作品に対する、そして自分自身への思いが、強烈な言葉で書かれていた。ひらがなの作者名、作品の文体からは予想も出来なかった。

”いつか飛んでやると飛翔の夢を持ちつつ。自らの翼の力を信じきることができなかった。
だから、書きたかった。”

もちろん作品自体も面白い。野球という目新しくない材料で、なんでこういう物語が書けるのかという疑問は”あとがきにかえて”の作者の目的に向かってまっすぐ書かれていたからだった。


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February 05, 2005

「妻に捧げる犯罪」土屋隆夫

これが前回書いた、”今読んでる、すごく面白くない本”。才能がない人が一生懸命書いている途中経過まで見せてくれているというか、別に作者にうらみはないですが、こんなんでよければ俺でも書けるよ。なんでこんな本がきになっていたのか?話の場所が自宅の近くだったからかな。多分そうだろう。

でも俺だったら、こんな本、世に出さないな。って、ホント作者に恨みはないんですが。

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January 29, 2005

「柔らかな頬」桐野夏生

あんまり面白くなかった。この人の「OUT」を以前読んだが、そっちの方が100倍よかった。正直、結末が知りたくて、下巻まで読んだが、まあ、下手な終わり方ではなかったが、「人にすすめるか?」と聞かれれば、オススメはしないな。これなら、インターネットで予約して図書館で借りたらよかった。

板橋区は昨年末からインターネットで本の検索・予約が出来るようになったんだ。先日登録して初めて利用してみたが、これはかなり便利。結構多くの人がもう利用しているみたい。その借りた本を今読んでいるが、これは笑ってしまうぐらい下手。ずーっと家にいて、本ばかり書いていて、こんな内容でよければ誰でも=俺でも書けるよ、と思うくらいな本。買わないでよかった。

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December 29, 2004

「介護入門」

今年、芥川賞を受賞したモブ・ノリオ著「介護入門」。
すごい本を読んでしまった。と書くのは我ながらあまりのボキャブラリのなさが、この作者に対し恥ずかしい。出だしは何かその文体・リズムに慣れず、面白くないと思ったが、いつの間にか、その執念とか怨念に近い書きざまに、飲まれてしまった。

この作品に作者の本心が書かれていると思った(そうでないのかもしれないが)。すぐれた作家・本は、言葉に出来ないようなものを見事、言葉に、あるいは行間に、書き表してしまう。それが私の中のすぐれた作家の定義であるが、この作者はまさしく、そんな人であった。

もし作家を夢見ている人がいて、この本を読んだら、打ちのめされて夢を諦めてしまうかもしれない。そんな威力がある。

この本は読まないほうがいいのかもしれない。
今後、介護は自分の問題となってくる。。。。。

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